当社では、森づくりを行うにあたり目標林型を第一に考えます。これは長期的な管理・施業を必要とする森林の将来の理想的な姿を設定し、それに向けての整備を計画的に、かつ確実に実施することを目指します。
目標林型の設定とそれに向けた管理は、持続可能な森林経営を行う上での道しるべとなり、将来にわたる森林の健全な発展に欠かせない要素です。

森林内での木材伐採や搬出、植林作業などを効率的に行うために作られる作業システムの1つが作業道の作設です。これにより機械や人が森林内で安全に移動できるようになり、作業の効率が向上します。森林作業道の作設には、環境への影響を考慮し、道幅や勾配、通行する車両などに考慮し、壊れない道づくりを進めています。持続可能な森林経営を支える重要なインフラとして、適切な計画と管理、作設を行っています。

当社では、森林を成長段階に応じて複数回にわたり間伐（間引き伐採）を行い、森林の健全な成長と持続的利用を目指す多間伐施業に取り組んできました。大規模な伐採を避けることで、森林の生態系や景観を維持、向上させることを目的としています。間伐を繰り返し、最終的には高品質な木材を収穫する「主伐」に向けて森林を育てます。
多間伐施業は数十年単位で継続的に実施する必要があり、森林所有者や管理者が途中で管理を放棄すると、森林が荒廃する可能性もあります。そして育林木の成長に合わせて施業を行うので費用がかかり採算が合わない場合もあるため、計画的な管理が求められます。当社では、国や自治体が支援する制度や補助金、助成金を活用してコスト負担を軽減し、森林所有者に負担のかからない森づくりを進めています。

高性能林業機械（ハーベスタ、フォワーダ等）を活用し、作業効率を高めるとともに、労働者の安全性を確保しながら作業に従事しています。上質な木材だけでなく枝や端材も活用することで、木材の利用効率を向上させ、バイオマスエネルギーなどの原料として出荷しています。

単に木を伐り木材の生産を行うのではなく、「伐ったら使い、植えて育てる。」を実践し、森林の持続可能性、効率的な資源活用、地域経済への貢献、環境保全を統合的に考慮する計画的な木材生産に取り組んでいます。これにより、木材資源を次世代にも継承しながら、社会の多様なニーズに貢献できると考えています。